第1回 競馬に行きたいんだ!

函館には競馬場がある。近くに競輪場もある。間に自衛隊の駐屯地、さらに少年刑務所が隣接・集中しているという謎の街である。

どれ、久しぶりに競馬に行ってみようかね。

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小雨が降る中、函館競馬場にやってきた。本日、函館で開催されるレースはないが、阪神・中山・中京でレースがあり馬券が買える。競馬場が持つ独特の雰囲気を味わいに来たのだ。

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PM1:00過ぎに着いたので、まずは腹ごしらえでもしようか。

フードコーナーのソバ屋に行き、カウンターに並ぶ。

(・ω・)「かしわそば下さ・・・」

(≪●≫益≪●≫)「天ぷらそばっっっ!!」

後ろの親父が背中越しに叫ぶ。よほど急いでいるのか、負けて気が立っているのか。それにしても天ぷらそばとは景気がよさそうだ。

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かしわそば(天カス入り) 550円なり。あらためてメニューを見ると「天ぷらそば」 460円のほうが安い。これは競馬場では普通なのかい?

 

それでは、賭けは目的ではないのだが、せっかく来たので勝馬投票券とやらを買おうではないか。

ん?WIN5?ボックス?ワイド?

(´・ω・`)ナンノコトカ ワカラナイ…

単勝複勝枠連で知識が止まっているので、それ以上の情報は受け付けない体になってしまった。しかも手ぶらで来ているので、馬の情報もない。はたから見れば余程のベテラン馬主か、競馬をなめ腐っているオッサンのどちらかだろう。

寒いので屋外には誰もいない。ひとりスタンドに座して目を閉じて集中する。

(‹◎›ハ‹◎›)ミエタ・ミエタ!・見えてきた!!

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かすかに脳裏に1と2が浮かんだ。昔も枠でしか買ったことがないので浮かんだ数字は枠番号に違いない。潔い一点買いである。

結果は・・・

 

大当たり!!8.3倍になった!!

あらためて馬券を見ると間違いない。

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830円になった。ヤタ━━ヽ(゚ω゚)ノ ━━!!!!

 

よし、帰るとするか。

 

ザワザワ (╰ •ω•)╯ψ『ナンデ帰ルンダ? 勝負ハ コレカラダ‥』

 

あわわ、心の悪の部分がざわついている。

ダメダ、ダメダ、ダメ・・・

 

(*ω*)「もうひと勝負だけ…」

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吹きすさぶ寒風が心の弱さを痛感させる。誰もいないスタンドが醸し出す寂寥感が『あの時、帰っておけばよかった』と後悔の念を倍増させる。

競馬場には様々な人間ドラマが隠されている。狂喜する者。激昂する者。

 

欲を出してはいけないというお話でした。

 

(´・ω・`) バイバイ