「いやぁ大変なことになった。」
友人の小山に呼び出され居酒屋で会うことになった。小山は少し疲れて見える。
(・ω・)「どうしたの?」
「高橋知ってるだろ。」
「あぁ、お前の部下の高橋だろ?」5年位前に小山に紹介された色白の青年で、新婚と言うこともあり、嫁が大好きだと嬉しそうに言っていたことを思い出す。ただ、上司である小山は彼の仕事ぶりに少なからず不満を持っていたのも聞いていた。
(・ω・)「彼がどうしたんだ?」
「強姦事件を起こしてしまった。」
「あれほど嫁さんを溺愛していたのにか。子供もいるんだろ?」
「そうだ。即効離婚されたよ。」あらましはこうだ。合コンなのか、行きずりなのかわからないが、ホテルに連れ込んだ娘が、行為後、体液が残った状態で、警察に駆け込んだらしい。刑事事件としては示談になったが、民事で沙汰を待っているようだ。その間に離婚が成立している。
(・ω・)「高橋は何て言ってるんだ?」
「合意の上での行為だと言っている。酒も絡んでいるから立証は難しいな。どっちにしても不貞行為をしたのだから奥さんも逃げるわ。」
「仕事はどうするんだ?」
「社長は民事の結果次第では解雇になるだろうと言っていた。仕方ない。」
「・・・・・・・・」
「どうした?」
「なんか、引っかかるな。」
「何が?」
「手際が良すぎる。」ホテルに連れ込んで、別に逃げるようにではなく落ち着いて警察に行ったこと。不貞は認められたものではないが、離婚成立までのスピード感。刑事事件としては取り下げたが民事で係争中。
(・ω・)「小山は退職ありきで高橋を見ているが、ひょっとしたら嫁さんと被害者はグルでハメられたんじゃないのか?なんか感じないか?夫婦円満に見えるけど束縛がきつそうだとか。」
小山は口を開けて動かない。どうやら思い当たる節があるようだ。
もし、悪い予感が当たっていたら怖い話である。
注:写真はイメージです。内容とは一切関係ありません。
ヾ(´・ω・`) バイバイ