2023北海道一周ツーリング 5日目

朝が来た。曇っていたが雨の心配はなさそうだ。昨日の疲れがとれていない。でも頑張ったおかげで今朝は時間に余裕がある。

まずは温泉だ。

長い廊下を渡る。

イソジンの臭いがするヨードたっぷりの温泉で心も体もさっぱりした。

現実に戻り、エンジンを考える。晩成温泉はわずかにゆるやかな坂の上にある。坂の下に荷物をまとめ、バイクを坂の上に押し歩く。そう、困った時の「押し掛け」だ。

エンジンが動かなかったら、どうしよう。昨日の受付の男性といい地元の人には何となく助けを求めづらい。JAFは来るのにどれだけ時間かかるのだろう。また来たとして、その後どうすればいいんだ?色々と頭をよぎる。

ギアをニュートラルに入れる。坂を下りながらペタペタとバイクを足こぎして目を閉じ、祈りながら二速に繋ぐ。

ブ,ブ,ブオンッ=3

\( *皿* )/「ヤッター」辺りに誰もいないことをいいことに叫んでしまった。

(よかったぁ、よかったぁ、)そう呟きながら涙を流している自分に気が付いた。よほど心細かったのだろう。

晴天といえないが実に清々しく道がつづく。

天馬街道に入り、牛を眺める。

日高山脈を越えるあたりの湧水もおいしい。

バッテリーも充電され始めたのか、安定した電圧を保ち始めた。

時間が止まったような無人案内所。

こういった、何とも言えない寂しさ、侘しさの世界に興奮を覚えるのは私だけではないはずだ。

浦河で友人と会いリッチな昼食。

そしてフラッグ購入。

旅も終盤だ。あとは帰るだけだ。

のんびり帰るか。

ワープ!!

バイクの不調を第一に考え、苦渋の決断のもと、長万部まで高速道路を使うこととする。決して楽だからではない。

長万部で最後のフラッグゲッツ!

ただいまっ!

よくがんばったねっ!

走行距離483㎞

つづく